*名古屋公演(10/8)では、佐藤幸恵さんのソロと彼女率いるグループダンスもあります。
*京都公演(10/9)では、ダシャバタールのデモが入り、さらに分かりやすく説明致します。
①Mangalacharan Siva Tandava マンガラチャラン・シヴァタンダバ
マンガラチャランは、舞台を清め、舞台の成功と無事を祈るとても神聖な踊りです。
今回はシヴァ神への祈りの踊りです。
最後のパートは、神様とグルと観客の皆さまに捧げる踊りです。
●振付:グルデバプラサッドダス
●出演:ガジェンドラクマールパンダ・ポーリマンダル・ガンガーラプナゲシュワリ・仲香織
②Sthai Thum Thei スタイ・タムテイ
インド舞踊の踊りは、ピュアダンスとアビナヤという2つに分類されます。アビナヤは顔の表情や手の印を結び、
ムドラを組み合わせ、ストーリーを表現していきます。一方、ピュアダンスは、ストーリー性はなく、音楽の旋律や
リズムに合わせて、複雑なステップや身体の動きを多用した踊りです。
スタイは、ピュアダンスです。物語性がない踊りですが、チョーカというジャガンナート神をモティーフにしたポーズが基本に
構成されています。この踊りには、オディッシーに欠かせない、たくさんのバンギ(ポーズ)が登場します。また、
デバプラサッドダス踊りの特徴である「サブダスワラパッタ」というパーツが登場します。サブラスワラパッタは、
言葉遊びのような、早いセリフのような音楽がその部分です。ここでは、踊りに出てくるポーズの説明が語られています。
●振付:グルデバプラサッドダス
●出演:ポーリマンダル・ガンガーラプナゲシュワリ・仲香織
③Muhami Kisoro ムハミキソロ
ムハミキソロは、アビナヤです。インドの叙事詩、「ラーマヤナ」に出てくるストーリーです。
ラーダとクリシュナの愛のお話です。ラーダは、クリシュナが大好き。でも、クリシュナはいたずら好きな少年です。
数々のいたずらをラーダにしてきます。ラーダは、クリシュナについての話を女友達に話しています。恥ずかしそうに、
少し自慢げに。でも、クリシュナが自分にかまってくれるのは、本当はうれしいのです。
ある日、水浴びをしていたラーダに、クリシュナが突然木の実を投げます。ラーダは驚き、木の上のクリシュナをみつけます。
また、水浴び中のラーダの服をクリシュナが隠してしまいます。服を着ていないラーダは恥ずかしくて立ちすくみます。
ある日は、花つみをしているラーダの手をクリシュナがつかみます。ラーダは、周りを気にしながら困った顔をしながらも、
うれしいのです。しかし、ある時、水がめを運ぶラーダにクリシュナは石を投げ、水がめを割ってしまいます。この時ばかりは、
さすがのラーダにも怒りがこみ上げてきます。しかし、クリシュナの顔を見たラーダは、やっぱり、ラーダは怒る事ができません。恥ずかしくて顔もまともに見れないのです。といった、インドらしい、純粋なかわいいラブストーリです。
●振付:グルデバプラサッドダス
●出演:仲香織
④Manaudharana マヌダラナ
ジャガンナート神に捧げる踊りです。インド2大叙事詩の「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」のお話が
オリヤ語の歌に合わせて登場します。
あージャガンナート神様。私達を苦しみからお助け下さい。私達はジャガンナート神を祈ります。
●振付:グルデバプラサッドダス
●出演:ガジェンドラクマールパンダ
⑤Dasavatar ダシャバタール
ヴィシュヌ神は、秩序が乱れ不徳がはびこる時、偉大な10の化身となり、宇宙の救世主となり、
悪を懲らしめ人々を救うためたびたび 地上に降臨したと言われています。ケーシャヴァとは、ヴィシュヌ神の事です。
この演目では、シュリジャヤデヴの書いたラーマーヤナのストーリを踊ります。
最初は、ラーダとクリシュナのお話からはじまります。
クリシュナは、小さな男の子。ラーダは、怖がるクリシュナの手を引いて、家路を急ぎます。すると、
クリシュナは大人に変身。大人の男になります。今度は、クリシュナがラーダの手をひきます。クリシュナの変貌ぶりに、
ラーダは驚きながらも、クリシュナに手をとられ、恥ずかしいのですが、うれしいのです。
その後は、ビシュヌの化身についての話です。最初の化身は、マツヤです。
マツヤは、魚の姿をしています。
●マツヤ
人類の祖となる賢者マヌの前に現れ、7日後の大洪水を予言した。そして、大洪水の時に、からだに、綱である
ヴァースキを巻きつけ、マヌの乗る船が流されないように、ひっぱったと言われています。
●クールマ
クールマは亀の形をしています。
大亀であるクールマに化身して、不老不死の霊薬アムリタをとるため、乳海攪拌(にゅうかいかくはん)の際、攪拌棒として
用いられたマンダラ山を、その大きな甲羅で支えたと言われています。亀は、自ら土へ移行する動物の象徴としてモティーフ
にされています。
●ヴァラーハ
ヴァラーハは、猪の姿をしていています。魔神ヒラニヤークシャによって、大地が水の底に沈められようとした時に、その牙で
大地を引き上げたと言われています。
●ナラシンハ
ナラシンハは、獅子の頭と人間の身体を持っています。
3番目の化身に殺されたヒラニャークシャの兄弟である、ヒラニャカシプは、ビシュヌに復讐を誓いました。その結果、彼は
ブラフマーに、神にもアスラにも、人間にも獣にも殺されないという力を授かります。そして、昼も夜も、外でも建物の中でも
殺されないとも言われたのでした。彼には、4人の息子がいましたが、その1人が、熱心なヴィシュヌ信者でした。彼は怒り、
考えが変わるように説きましたが、息子の信仰は変わりませんでした。そこで、ヒラニャカシプが、「ヴィシュヌはいない」と
いうと、その息子は、「すべてのモノの中に存在している」といいました。
怒ったヒラニャカシプが、「それでは、この柱の中にもいるというのか?」と近くにあった柱を蹴った途端、柱が砕け散り、
中からナラシンハが出てきて、一瞬でヒラニヤカシプを食い殺したのでした。
彼は、昼でもない夜でもない夕方に、屋外でも屋内でもない、門の下で、人間でも神でも獣でもない半人半獣の姿で倒した
のでした。
●ヴァーマナ
ヴァーマナは、小人の姿をとっています。化身ではじめて、人間の姿をしています。彼は、乞食少年を装い、魔王に、3歩
歩いた分だけの土地を要求しました。それを承諾したとたん、ヴァーマナは一気に巨大化し、一歩で地上を、二歩で天界を
歩きました。そして、三歩目で魔王の頭を踏みつけて地底へ押し付けてしまいました。マハーバリは不死身にされ、今でも
地底に住んでいると言われています。
●パラシュラーマ
シヴァから斧を授かった彼は、その斧で、世界を救ったと言われています。武器を手にしたパラシュラーマは、人類の進化の
初期の段階をあらわしています。
●ラーマ
7番目の化身であるラーマは、叙事詩ラーマーヤナの英雄です。
魔王ラーヴァナから人類を救ったと言われています。3本のラインから外に出てはいけないと言われた王の娘シータですが、
ラーヴァナによって化けさせた美しい小鹿に騙され、ラインから出てしまいます。その時、シータは、ラーヴァナによって、
さらわれてしまいます。ラーマは、シータを取り戻すため、戦争を起こします。
ここでの化身で、人類は、斧よりも複雑な武器を持って戦いに挑みます。
8番目の化身は、バララーマです。
●バララーマ
マハバーラタの英雄クリシュナの兄として知られています。
9番目の化身はブッダです。
●ブッダ
非暴力の象徴であるブッダが、9番目の化身です。人間の進化の中で、愛、思いやり、非暴力の精神を説いたと
言われています。
最後の化身はカルキです。
●カルキ
ヒンディー教では、世界は4つの周期に分けられています。
現在は、カリユガという4番目の周期に属しており、悪徳と暴力の象徴とされ、世界の秩序が完全に失われた時代と
されているのです。このカリ・ユガの時代に、ヴィシュヌの最後の化身である、カルキが白馬にのって現れ、世のすべての
悪を滅ぼし、新たな世界を築くとされています。現在にカルキがあらわれ、世界を救ってくることを祈りましょう。
●振付:グルガジェンドラクマールパンダ
●出演:ガジェンドラクマールパンダ・ポーリマンダル・ガンガーラプナゲシュワリ・仲香織